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シモネッタとエッ勝手リーナ

古本屋で買ったばかりの「シモネッタのデカメロン」(田丸久美子)が、文庫新刊で出ていた。

当然、内容は同じだし、買うつもりなどなかったんだけど。

パラパラめくったら、故米原万理さんとの対談と、

万理さんへの追悼文である「文庫版後書き」が掲載されていたので、購入してしまった。


内容がまったく同じのを、オマケ目当てで買う・・どっかでやったな、これ・・。


それはさておき。

田丸久美子さんの名前を初めて目にしたのは、米原万理さんのエッセイだった。

ロシア語通訳者とイタリア語通訳者、

同業者だけど言葉が違うというのがどういう関係なのか私にはわからない。

だけど、文章から読み取れるお二人の関係が、とてもとても気持ちよかった。

自分に自信を持っている者同士の、気持ちいい強気の交流。

自分を見せびらかすのではないからこそ、しっかりした土台を感じさせる会話。

中年になってもなかなか持てない、私の理想の友情。


実際のお二人がどういう人だったのかは知らない。

エッ勝手リーナこと米原さんの勝手に振り回されたら大変かもしれないし、

シモネッタこと田丸久美子さんのモテっぷりには嫉妬したかもしれない。

けれど、このお二人の友情には、こころから、憧れる。

・・・それだけに、巻末の対談、そして追悼文が痛ましい。


「恋愛してそれを失うことは、恋愛して得ることの次にいい」と言うけれど。

友情も同じなんだろうか。

北村薫さんの「ひとがた流し」を読んだときに最初に連想したのが、

田丸さんと米原さんの友情だったのだけれど。

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六の宮の姫君感想1

ウエンツ君へのV.Pは、「寺山修司少女詩集」と「北村薫のミステリ12ヶ月」にしてみた。

北村薫さんは独特な段落の区切り方が大好き。

ななめにオチがつけられているように感じることがある。


贈ったのは「ミステリ12ヶ月」だけど、一番繰り返して読んでいるのは「六の宮の姫君」。

シリーズの中でもダントツにこれが好き。

とはいえ、このシリーズ全体に感じる、「私」のおぼこさへの違和感は健在。

ファザコンがらみでトラウマでもあるの?ってくらい。しかし以下の部分は、わかる。


 私にとって恋人ができると言うのはどういうことか。その人の前でなら、こういう言葉を口
にしても羞ずかしくない、そんな相手が出来ることではないか。それは秘めた心を、わずかに
見せることである。そこで《変なやつだ》などといわれたら、これはもう走って行って、大川
にでも身を投げるしかない。              (文庫p18)


わかる、といっても共感ではない。

こんなことをしてたら、もう何回川に身を投げてもおっつくものじゃない。

誰にも見せずにそっとしまって、熟成させて形を変えて、オチをつけてから話す。

そういう防衛の形が身についているので、上記の文章が、ただ、羨ましい。

こんなに恋人に希望を持ったことなど、ないな。

それとも言葉にストイックなら、こんな恋愛ができたのかな。

形を変えず、ずっと心の中に留めておくストイックさこそ、必要なのかな。

だめだ、私には、無理だー。


・・・この本、一度きっちり自分の中でまとめたかったので、しばらく感想続きます。

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「し」読了

原田宗典「し」、読了。

一時期のものすごく明るい爆笑エッセイ以来、

遠ざかっていたけれど、鬱病だったんだなぁ。

「金曜日の告白」でもあったけど、

無理やりテンション上げなくてはいけない仕事って

鬱病になりやすいんだろうか。

・・・・気をつけてね。


「し」の中に、志賀直哉の文章を引用する形で、

本当に優れたものに出会って感動するとき、自分の中にも

同じものを見出す、という意味の文章があった。

(もっと深い内容だけど、私のポイントはここだった)


誰かが言った言葉の中に、自分を見つけることはよくある。

自分の気持ちを発展させ、考えを深め、衿を正す体験。

一般的に言う「優れた」言葉でなくてもね。

推理小説の一節、ウエンツ君の言葉でも。

知らないのに「好き」と思うのは、

どれだけそういう気持ちにさせてくれるかってことなのかも。

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